すっかりあさみちゃん達側になってしまった清水先生。



少しトーンを落とした清水先生に、僕達3人は耳を済ませる。



「僕の今の妻も、元々患者だったんだ。……あ、僕はそろそろ行くね。作戦会議、頑張って」




トレイを手に席を立った清水先生。



先生の奥さんも患者さんだったのか……。



へーと感心してる横で



「キャー!嘘嘘!その話詳しく聞かせてくださいよっ!」



テンションが上がったあさみちゃん。



声が大きくなったあさみちゃんを気にしながらも「すごい……」とポツリと言う椿ちゃん。




「また今度ね」


「えー!清水先生ー!」




……僕は、周りで勝手に繰り広げられる会話に黙って聞いておく事しか出来なかった。



僕ももうすぐ昼休みが終わる。


行かないと……。


「それじゃ、僕もこれで」


「あ!先生」



トレイを持って退散しようとすれば、また呼び止められる。


「……何か?」


「もし、心の為にデートしてくれるならこの前のあたしのバイト先の店に来て下さい。
平日なら、いつでも居るので」