清水先生にまでそんな風に思われていたんだ……。
急に恥ずかしくなって視線を泳がした。
「……で、まだ話はあるんでしょう?続けて」
清水先生の言葉に、今度は椿ちゃんが話しだす。
「高橋先生が心を連れ出して欲しいんです」
「連れ出す?」
「心、もうすぐ誕生日なんです。だから祝ってあげたくて……。
この前写真展に先生と見に行った時はゆっくり出来なかったみたいだし、その……あんな事になっちゃったし」
気まずそうに最後を濁した椿ちゃん。
「高橋先生に酷い事言ってしまったって心、言ってました。
仲直りデートって事で、どこかに連れていってあげて下さい」
「でも……」
「高橋先生の休みの日で良いんです!1日だけ!!考えてみて下さい」
……そう言われても。
「考えてあげたらどうかな?良いと思うけどね、仲直りデート」
「デートって清水先生……」
困る事しか出来ない僕に清水先生は、言う。
「高橋君、患者に恋しても良いんだよ?気持ち、我慢してるんじゃない?……ここだけの話だけど」



