それなのにつられて僕も清水先生に顔を近付けて、小さな声が聞き取れるようにする。



「……心配しなくても、もう嫌われてる」



バッと顔を離して清水先生を見ると、またケラケラと笑いだした。



「ウザイ、付いてこないでよ、そう言われて嫌われてた。最低ラインにいたんだから、これ以上は下がることないだろうし安心しなさい」




……その言葉は、嬉しいのか悲しいのか分からない。




「後は上がって行くだけだから。
術後のケアで頑張ってね」




そう言って、チラっと時計を見た清水先生。




もう嫌われてる……か。



まさかそれを清水先生に言われるとは思わなかった。


僕の堅い表情を見てか、まだ笑ってる。



さっきまで真剣に手術をこなしていた先生とは思えない。



そっか。




もう嫌われてるなら……逆に開き直れる。



元々、岡本さんの病気を治す為なら嫌われても構わないって思ってたしね。



逆に元気が出てきた。