「よし、運んで」



清水先生が看護師さんに指示して、岡本さんはオペ室から運ばれていく。



僕は、それを見てから手術着に手をかけた。



「お疲れ」


「お疲れさまです」


「別室でご両親に説明しないと。行こうか」




時計を見れば、手術時間のカウントは6時間で止まっていた。



予定通り。



本当に、予定通りに全て進んだ。


予想外の展開になる事も無く。




「……清水先生…高橋先生…」



カンファレンスルームにはすでに看護師によって通されていた岡本さんのご両親が着席していた。



僕達を見て同時に立ち上がる。



「おかけ下さい」



そう言いながら僕も腰を落とす。


「先生、心は?」


「手術は成功です。以前お話した通りの術法で手術時間も予定していた通り6時間でした」


「……発作は」


「起こらないと思います……が、しばらくはこれまでと同じ生活で様子見となります。定期的に病院にも来て貰う事になります」



ホッとご両親、2人ともの肩の力が抜けたのが分かった。