そのまま車に乗せて病院へと連れて帰る。




静かになった岡本さんを、信号待ちの時にさり気なく見ると、窓に頭を預けて外の景色を見ていた。


……また閉じ込められる、とも思っているのかな。




その横顔が寂しそうに見えた。



病院に入ると、ふっと息を吐く。


無事に帰ってくる事が出来て、良かったと。




「ショッピングセンターで走ったし、一応エコー検査するから。
そのまま検査室に行くよ」



首だけ振り返って後ろの岡本さんを見ると、足が進まないのかゆっくりと歩いていた。



「はいはい」




諦めたようにそう言って僕に付いてくる岡本さんに安心して、検査室へと歩く。



急に走りだして発作を起こさなかったものの、体には絶対に負担がかかっていると思う。




念の、為にね。


気配が掴めなくて、ちゃんと来ているか気になって確認しようともう一度振り向いた。


バクッと自分の心臓が大きく跳ねたのが分かった。



振り向いた僕の視界に映ったのは、大人しく付いてきている岡本さん……では無くしゃがみ込んでいる岡本さん。