【完】君の笑顔






たまには良いよね。



いつもからかわれて、笑われてるんだから。ちょっとくらい。



岡本さんの顔を覗き込もうとすると、岡本さんはそっぽを向く。




「照れてない。ってかさ、何調子に乗ってまた呼び捨てしてんの?」


「いや、本当に呼びやすいなーって思って。 心」




もう一度、名前だけを強調すると



「ウザイ。早く先に進んでよ!」



本当に嫌そうな顔で、声で、そう言いながら背中を押された。



……別に怒らなくても。



呼び捨て位で。




でも、これ以上不機嫌にさせて困るのは僕だ。



程々にしておかないと……。




黙って再び写真を鑑賞することにした。