【完】君の笑顔






「写真展行かないって言ってしまったし、大人しくしてたら退屈だろうなーって思って話相手になりに行ったんですよ。
仕事じゃないからコンタクト付けて」



我ながらスラスラ言えて驚く。



「寝てれば良かったのに」



それを聞いた岡本さんは、ボソっと呟いた。



僕に聞き取れないように呟いたかもしれないけれど、バッチリ聞こえて。



思わず岡本さんの頭を軽く叩いた。



「いったい!」



軽く叩いたのに、大袈裟に痛がる。



僕がさっき叩かれた方がよっぽど痛かった。



「病院行ってみて正解」



写真に視線を戻しながら言ってあげた。




本当。



聖に言われなければ病院に行こうと思う事は無かったけれど、行って正解だった。



僕が病室に行くまで、岡本さんが抜け出した事に看護師は気付いて無かったし、


気付いた時にはもう発作を起こした後……なんて事になってなくて良かった。




幸い行った場所も分かってたから、すぐに岡本さんを連れ戻しに向うことができたし。




油断して走らせてしまった事は反省点だけれど。