この前岡本さんから誘われた時のは断って貰ってないし。
この場で買って入る当日チケットも販売していないみたいだから、入りたくても入れない。
「だってチケット無いと入れないし……」
そう言えば、岡本さんは手を動かしてバックの中から封筒を取り出す。
その様子をじっと見ていれば、今度はその封筒からチケットを2枚出して僕に見せてきた。
「あさみからの封筒ごと持ってきたから、高橋の分もあるよ?」
「嘘!?」
キョトンと平然に言った岡本さん。
僕の分も持ってきてくれていたんだ。
「だから、せっかくだし入れば?」
運が良かった。
再び立ち上がる。
「さ、入りましょう」
もう一度岡本さんの手を握って、入り口に行く。



