中には誰も乗っていなくて、乗り込むのも僕達だけ。
「……写真展、2階だっけ?」
ボタンを見て岡本さんに聞く。
「へ?」
目を見開いて僕を見る岡本さん。
握った手に力が入った。
そのまま2階のボタンを押す。
「ちょっと待って……帰るんじゃなかったの?」
「本当は今すぐ帰りたいですけど……俺から走って逃げるくらい見たいんでしょ?写真展」
ニッコリ笑いながら続ける。
「後……さっきは怒鳴ってすみませんでした。もう絶対怒鳴ったりしませんから」
「何で?」
即座に聞き返してきた岡本さんに、僕は困る。
「ビックリしたでしょ?心臓にも悪いし、僕も我を忘れてたって言うか……怒鳴る事無かったと思って」
いきなり後ろから捕まえたり、怒鳴ったり。
心臓に負担をかけてしまったと思うから。
怒るのも、もう少し言い方とか……考えた方が良かった。
そこは反省しないと、と思って謝ったのに、何故か岡本さんは笑いだす。。



