急いでゲームセンター付近に迎う。



ガヤガヤとさっき電話の向こうで聞こえた音と全く同じ音が聞こえて来る。



電話を切ったばかりだし、まだここからそう遠く離れてはいないと思う。



きっと帰らずに写真展へと迎うはず。



足を進めながらも周りを見て岡本さんを見逃さないようにしていたら……



見つけた。



エレベーターの方へと歩いていく姿。




僕との電話はもう切れたはずなのに、まだ携帯を耳に当てて話している。



……誰かと電話してる?




気付かれる前に早く捕まえて帰ろう。



ゆっくり背後から近付いて、手を伸ばそうとした時。




少し離れた所にあるエレベーター。



そのドアが閉まりかけた。




スッと嫌な予感が脳内を駆け巡る。




「あ、待って下さい!」




岡本さんも、閉まりかけた事に気付いて携帯を少し話して叫ぶ。



エレベーターの中の人が気付いて再び左右に距離を開いていくドア。




それと同時に、岡本さんは早く乗り込もうと走りだそうとした。