相談して欲しい。


何でも、僕に話して欲しいんだ。



「まぁ、高橋先生の仕事は主に脱走ばっかりする心ちゃんを脱走させないようにする事だろうけどなー」



笑う清水先生に岡本さんは苦笑い。



「出来ますかね?あたし、用事があったら抜け出すつもりだし」



自信たっぷりに挑戦的な目を僕に向けてくる。



僕は、何も言わずにただその目を見返すだけ。



「まぁ、検査受けたら帰れるから大人しく寝てなさい」



清水先生はそんな岡本さんの態度を気にせずにこやかに話すと部屋を出ていこうとする。



僕も岡本さんに軽く頭を下げて部屋を出た。



――「出来ますかね?」


やってみせるよ。


君が抜け出すなら、僕は迎えに行く。



そう心に決めたんだ。