岡本さん。



おかしい。


あきらかにおかしすぎる。



そこまであの写真展に行きたかったのか。



それとも僕が断って写真展に行く事を全力で止めた事がショックだったのか。




あの日以来、岡本さんは僕が担当に付く前の負の表情しか見る事が無くなってしまった。



そして、全く外に出歩かなくなってしまった。



外どころか、中庭にさえも。


普通ならそれが当たり前と言うか……気にする事なんて無いはずなのに。



抜け出す事が当たり前になっていた岡本さんがパッタリ出歩かなくなってしまうのはおかしい、と思ってしまう。



抜け出さない事自体は発作を起こす危険が減るから喜ばしいことだけど。



「……おかしい」


声に出してみても、何の変化も無いけれど。


だけど、心の中でおさまりきれなくて、つい出てしまった。



で、出した直後にはっとして直ぐに後悔。


「何がおかしいの〜〜っ?」


このおちゃらけが食い付いてくるんだった。