「……またここ?人通り激しいのに」
ここで話し合うと思ったらしい。
2人でゆっくり話したい、と岡本さんが言ってくれたのにこんな人通りの激しい場所で話すわけないでしょ?
「ちょっとここで待ってて」
飲み物買ってくるから。
僕は、それだけ言って売店へと足を踏み入れた。
真っ直ぐ飲み物が売ってある場所へと迎う。
色々見ていると、岡本さんが待ちくたびれて諦めて部屋に帰ってしまうかもしれないし。
それに……岡本さんが食べていいお菓子類なんて無い。
レモンティーと自分用にコーヒーを持ってレジへと通す。
さっさと売店から出ると、岡本さんは僕に言われた通り、長椅子に腰掛けてこっちをぼーっと眺めていた。
「はい、レモンティー」
岡本さんの元へと戻り買ったばかりの温かいレモンティーを差し出す。
岡本さんは視線を僅かに上げてレモンティーを見ると、パーカーの袖から少しだけ出た手で受け取った。



