〜プロローグ〜

空からたくさんの宝石がふってきて、あたしの周りを包んだ。

「ああ、あたしは許されたんだ…」

はじける光の中で、あたしはひとり立ち尽くしている。
目の前に光の階段がある。
階段の上には扉があって、そこにケンタが立っていた。

ありがとう、ケンタ。

あたしはそっと目を閉じる。
最後にみたケンタの顔は、笑っているように見えた。



もう一度つぶやく。
今度はしっかりした声で。
ありがとう。ケンタ。









あたしが目をさましたとき、もうケンタはそこにいなかった。