甘い甘いキスをお姫様に



いきなり何かを見つけたのか、羽月は走り出した。

拓斗と俺は驚いて羽月の走っていった方を見た。



そこにいたのは男に囲まれた1人の女。


羽月はその男の前に飛び出していった。




なにか話したあとに、男が羽月に向かって手を伸ばしたのが見えた。



ビクッ――



羽月はいきなり怯えだした…。



それを見た俺は勝手に体が動いた。



「羽月っ」


「涼!」



いきなり走り出した俺についてくる拓斗。

俺がやろうとしている事が拓斗には分かるんだ。

昔からそうだった…。






俺は男の前に立った。

拓斗は羽月に触ろうとしていた腕を掴んでいた。






「た、拓斗…涼…」





後ろから弱弱しい羽月の声が聞こえてきた。





その声で俺の中の何かが切れた―――。