ゆっくりと涼は唇を離した。
そして、目を見開いて固まっているあたしを見てクスリと笑った。
「口直し…。」
そう言って1人で廊下に出て行った。
「羽月?大丈夫?」
固まって動かないあたしを心配して奈美が声をかけた。
でもそんな声はあたしには届いてなかった。
キスされた…。
涼にキスされた…。
涼に…。
あたしは一気に顔が赤くなった。
そしてやっと動いたかと思うと、廊下にダッシュした。
歩いている涼の背中に向かって叫んだ。
『バカ涼ーーーーーーーーーーーーー!!!アンタなんか大嫌いだぁぁぁ!!!!』
あたしの声は学校中に響き渡った。
涼は振り向きもせず、左手を軽くあげた。

