甘い甘いキスをお姫様に




リョウとか言う奴はあたしの顔を覗いてきた。




ニコッ




あたしは、とびきりの笑顔をその人に向けた。







『黙って聞いてれば好き勝手いいやがって…。』


「…ワオ。コイツ性格わりぃぞ。」



リョウは、あたしを指差しながらタクに向かって言った。


「お前がわりぃんだろーが。」





タクはリョウの頭を軽く叩いた。



そしてあたしの前まで来て、あたしの頭に手を乗せた。




「ごめんな。コイツいつもこうなんだよ。ま、仲良くしてやって。」




あたしの耳もとでこう囁いた。


んー…。タクに言われると逆らえない。



『うん。』


「よしっ!!いい子だ。」




「おいっ。何話してんだよ。」



『あんたなんかに教えなーい!!べー!!』


我ながら幼稚だ……。


「こんの、クソアマ…。」




リョウは黒い笑顔を見せた。