甘い甘いキスをお姫様に




あたし達が抱き合ってグルグル回っていると、ある人が近づいてきた―――。



「…拓斗。」


「あ。涼!!」


そこにいたのは、見るからにイケメンの人。
無表情でこっちに歩いてくる。


『……。』


「朝から来るなんて珍しいなー。」

「今日は、起きれたから来た。」


そーなんだ、あははって笑ってる2人は本当に絵になっててあたしと同じ人間には見えなかった。



2人とも眩しいよ…。




そんなバカな事を思ってるのはあたしだけじゃなかった。


周りの視線が、あたしの目の前の2人に向けられていた。




そんな事はお構いなし…っていうか…気づいてない?2人。



「そーいえば、ソイツ誰?彼女?」



あの男の人があたしを指差して言った。