甘い甘いキスをお姫様に




「羽月って○○中から来たんだぁー。俺は反対方向の○○中!!」

『え!あそこって不良多いって有名だよね?』

「あー、けっこう荒れてたな。真冬に窓ガラスどっかは割れてたしなー。」



そんな事をサラッと言って、懐かしいなぁなんて遠くを見て笑ってる拓斗が、すごいと思う。





あたし達は学校に着くまでずっと盛り上がっていた。


学校に着く頃にはもう意気投合していた。






学校の入り口まで行くと、新入生らしき人達が集まっていた。


「クラス発表の紙見えねぇーな。」


小さいあたしはピョンピョンと飛んでみたが人の頭しか見えなかった。


『小さいって損だ。』

なんて呟いてると、いきなり拓斗が人込みの中に消えていった。


『ちょ!?拓斗!?』


追いかけようとしたけど人に押し出されてしまった。


やっぱり小さいのは損だ…。





1人で自分の身長を悔やんでいると、人込みの中から拓斗が出てきた。


「ぶはー!!窒息するかと思った!!!」

『拓斗~!!どこ行ってたのさー!!?ばかぁー!』

「ごめんごめん!!クラス見てきた!!羽月は1組だった!!」



拓斗はあたしの頭の上に手を乗せた。

『え?見てきてくれたの!?ありがとー!!!』

「ついでに、俺も1組!!!」

『本当ー!?やったーー!!』

「いえーーい!!よろしくなっ!!羽月!」




あたし達は回りも気にせず、抱き合った。