じゃぁ…

いったい誰が?





入院から何週間か経ったある日。


検査を終えて病室に戻る途中…


聞いてしまったんだ。



「……でしょ?」

あ、この声…


確か、絵里香さん。


何話してるんだろう?


「麻乃が事故にあったのは私を追いかけて来たから…だから、私のせい。記憶が戻らなかったら…どうしよう…」


追いかけた?何それ?

「そもそも…悪いのは俺なんだ。絵里香を裏切ってしまった。俺が不甲斐ないせいで、二人を苦しめたんだ…」


裏切る?二人を苦しめたって何?


分からないことだらけ…。


「確かに…今でも許せない。猛の事も、麻乃の事も…だけどね、あのネックレスを見たら…どうにもならないって分かったの。私は貰ったことがないから…猛の気持ちを。」


私?許せないって…
ネックレスって…


気持ちって…

何?


「…ごめん。絵里香の事は好きだよ。だから結婚だって決めたんだ。だけど…「分かってる。猛が言いたいことは…でも、それを聞いたら、怨みたくなっちゃう…麻乃が羨ましいよ…って、今こんな言葉不謹慎か…」


「絵里香…ありがとな。」

「ちゃんと幸せになってよね。ならなきゃ、許さないから」

「あぁ。必ず…なるよ」


私のせい…

きっと私のせいなんだ。

私の存在が二人を離してしまったんだ。



私の…せいで…