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麻乃から電話があった。

分かってた。

なんとなく…知られてるんじゃないか。

そう気付いてはいた。

だけど…傷つけるのが怖かったんだ。


アイツの涙に弱いから。


でも…

もう、限界かもしれない。

失いたくない…それも事実。


このまま笑ってそばにいられたら…


何度そう思ったか。


だけど、現実はそれを許してくれなかった…


「健哉ぁ?どうしたの?怖い顔して…」

「いや…なんでもない。ちょっと出てくるから」

「彼女…のとこ?」

「あぁ。早めに帰るから。」


不安そうな顔で俺にギュッと抱きつく。


俺は決断をしなければない。


麻乃か…


それとも…コイツ、真由か。


事の発端は数ヶ月前。

仕事で上手くいかずにヤケになってた俺は、真由と…


たった一夜の過ちのはずだった。


それが…いつの間にか本気になってたんだ。


そして…

俺と真由には…








もう一つの”絆”が出来てしまった。



だから…