意地悪王子と天然彼女




ドンッ――

鈍い音が鳴った。


海が先輩を離し…たんだけど何て言ったらいいんだろう…。

床に…た、叩きつけた感じが…。


「てめぇ今すぐ美亜に謝れ。」


すごく冷めた目をしながら吐き捨てる。


「…………」


「謝れって言ってんだよ!」


見ているあたしが恐怖を抱く感じなら先輩はすごく怖いだろうに…。


「分かったよ……」


そう言って先輩はあたしに近付いて来た。


「…美亜ちゃん……本当ごめんね…」


頭を下げて言われる。


「……ごめん…なさい。」


『あ…頭上げて下さい!』


深く深く下げている先輩に何故か悪いような気がした。


「いや。ダメだ。」


そう言って頑固に頭を上げてくれない。