さぁ、跪いて快楽を乞え!

流れる音はキーボードを叩きつつ資料を捲る音と、薫が抱き枕と供に寝返りを打つ音だけ。

寝ようと努力する俺だが、なかなか眠れない。
熱から来る体のダルさのせいもあるのだが、これはきっと寿が居るせいだろう。寿が居るのが鬱陶しいというわけではない。もっとこう、初恋の人が隣に居るみたいな……緊張して眠れない、みたいな? ……いや、そういうっ、俺がそんなっ! 女々しいわけない……!

「〜〜っ!」

抱き枕に顔を埋めて顔を耳まで真っ赤にしていると、こっちを向いた寿から意外な言葉が。

「暑いんですか? 氷枕取り替えましょうか?」