さぁ、跪いて快楽を乞え!

「自室に戻ろうと思っただけですが?」

「何で?」

と薫がスーツを掴んだまま問いかける。

「何でも何も、仕事をしなければならないので」

「ここでやれば? パソコン持ってきて……」

「それでは貴方が眠れないでしょう。眠れないで風邪が長引くと面倒ですし」

「パソコンのキーボード叩く音くらいなら大丈夫だし……」

「いや、資料捲ったりする音も混じりますが」

「良いから」

「……資料取りに行ったりもしますが?」

スーツを離し、早く取りに行けと言わんばかりに薫が言う。

「寿は何度も取りに行くような無駄なことはしないだろ」