さぁ、跪いて快楽を乞え!

ベッドの上で朝と変わらず、ゴールデンレトリバーの抱き枕を抱えぐったりする薫。そしてそれを呆れた顔で見る橘。

「薬を飲んだ後でそんなにぐったりしなくても良いでしょう……」

「だって、飲みづらかった……」

「もう17なのに薬の一つもうまく飲めないなんて、あなたはどこまでクズなんですか」

「クズじゃねぇし……」

「いや、充分クズですよ」

「……」

「……ナイトテーブルにお茶とコップを置いておきますね。喉が渇いたら自分で飲むんですよ」

と、仕事をするために一度自分の部屋へ行こうとするとスーツの裾がくんっ、と引っ張られる。

「何ですか。私は忙しいのですが」

「……どこ行くの?」