さぁ、跪いて快楽を乞え!

私が声を掛けると、ドアの前に居た主人がカチャリ、とドアを開け部屋に入ってくる。
部屋に入ってこいとは一言も言ってないでしょう……。

「……何で分かった」

「こんな時間に私の部屋を訪れ、いつまでも部屋の前に漂う迷惑な人物は貴方だけです」

旦那様や奥様はノックをせずにドアをすぐに開ける、実にデリカシーに欠ける……失礼、お忙しい方達なのである。

「……」

「何しに来たんですか? 場合によっては部屋まで送り返しますよ」

あくまでも、パソコンに向けた視線は反らさずに主人に問う。

「……一緒に寝てやろうと思ってな」

「生憎、私は一人で広々とベッドを使うのが好きです」

「今日くらい構わないだろう」