朝。

「やっぱね、ウチ付き合うよ」

「よかったじゃん、
 伶くんの影響?」

「まあね、
 でも8割は自分の気持ち」


里央は自分に正直だ。
私とは大違いで。

今日の放課後
返事をしに行くのだという。


「…そういえばさ、
 伶くんに昨日弟の話してないや」

「ウチの話はしたのに?」

「うん、それはしたよ」

「ありがとね、
 じゃぁウチが弟くんのために
 兄貴に頼んであげよっかなあ」

「マジで?」

「うん、それぐらい余裕だって。
 弟くんいくつ?」

「確か小4」

「確かって」

「一番生意気な時期だよ」

「わかった、それも伝えとく
 ユウキくんだっけ?名前は」

「うん、勇喜」

「じゃあ伝えとくよ」

「ありがと、私も伝えとく。
 弟絶対喜ぶよ」


それで一番喜ぶのは
弟じゃなくて私かもしれないなんて
その時の私には言えなかった。