身近な人に相談しようにも
担任の先生や母親に相談する気にはなれない。

「里央、伶くんのアド知ってる?」

「うん、でも何で?」

「弟に昨日伶くんの話したら
 会いたいって言ってて」

それは嘘じゃない。

「じゃぁ送るよ。
 綾音に教えるぐらい平気だよね」

伶くんのアドレスを受信した。

「ありがとう、里央の相談
 伶くんにしとくね」

「ちょっとお…!」

「前みたいにさ、私のこととして」

「あいつにー?
 あの馬鹿にー?」

「じゃぁ、送っとくね」

「…ウチの名前は出さないでよ?」


結局は信頼してるんだよね、伶くんのこと。

私の弟とは大違いだ…それは置いといて。


これでメールを送れば
里央の力になれるはず―

あくまで私の目的はそれだった。

それ以外、何も考えていないはずだった。