あの後、美香に全部話した。
そしたら、何か「よっかったんじゃない?」なんて言うし。
全然良くないつーの。
ていうか、いまだによく分からない。
あたしって、海君と別れたの・・・?
まぁ、キスしちゃったし・・・。
当然の事?
それより、あいつは何者なの・・・?
(あたしの彼氏・・・?)
いきなりキスしてくるし・・・。
でも、顔はいいんだけどなぁ。
つーか、タイプ・・・?
ちょっと茶色の髪。
少し大きめで優しい目。
透明感のある肌・・・。
まさに、パーフェクト。
見た目からして『王子様??』
ていうか可愛い。
でも、たぶんモテるんだろうな・・・。
    ↑いや、絶対。
そーいやぁ、名前も知らないなぁ。
・・・んんん、翔、だっけ・・・。
何か、知ってるし・・・。
ホント、授業中もそればっかり考えてた。
「あー、疲れたー」
やっと、ホームルームも終わり下校時間。
「友梨、帰りどーすんの?」
帰り・・・。
「どーしよう・・・」
海君とは、もう帰れないし・・・。
えっ・・・。
もしかして・・・。
「帰るぞ」
何で、あんたがここに・・・?
一緒に帰るの・・・?
「えっ、ちょっと、あんたの彼氏って南原翔だったの!」
「えっ、あっ・・・」
何か、クラス中から注目されてない・・・?
女子の視線がいたい・・・。
「帰るぞ」
「えっ・・・」
南原翔という人物があたしの手を引く。
何か、すごくドキドキしてる・・・。
ヤバイ、あたし・・・。
海君と、手繋いだときよりも・・・。
何倍も、何十倍も、何百倍も・・・。
何で、何でこんな奴に・・・。
あ・・・、もう、ダメ・・・。
「手っ」
本当にもう、ダメ・・・。
「えっ、あっ・・・」
結構、歩いた所でやっと、手を離してくれた。
「そーいえば、家どこ?」
「えっ、あっ、ここを右で公園の近く」
「じゃぁ、近いね」
・・・えっ、マジ・・・。