いくら専属の使用人さんであろうが、言葉遣いは気をつけねばならない。
どの者にも低姿勢で感謝を忘れず、悠然とした佇まいで過ごすコト――
これは東条家で最も大切にされている、“しきたり”のひとつである。
今日もまた幸せで穏やかに過ごせるのも、他ならぬ彼らのお陰であって。
永代続いて来た東条の歴史は、そんな謙虚なところにルーツがあると思う…。
「さて、これで大丈夫かしら…」
そして今日も私は寒さにも負けず、大切なソレの手入れを終えた。
緑の青々とした元気な葉を見つめていると、ポッと心が温められるから。
これだけは庭師にも手入れを任せられナイ、大切なお花なの・・・

