大好きな蘭ちゃんとの時間を邪魔されて、ワザとらしく頬を膨らませれば。



「まったく…、何度言えば気が済むんです?」


さり気なく蘭ちゃんの腰元に手を置いて、自分の許へと引き寄せる息子。



密かに2人だけの新居を購入した拓海に、嬉しくなったのは事実なのよ。




それは納得したつもりだったのよ、でもね・・・




「いいえっ、私だって蘭ちゃんと暮らしたいわ!

私1人だけ除け者なんて、ツマンナイうえにヒドイ息子ね?」


ずっと欲しかった可愛い娘が出来れば、どうしても1人が寂しくなるの。




「ハァ・・・」


そんな態度に呆れながら、盛大すぎる溜め息をひとつついた拓海。



東条に育つ者として、あるまじき態度なのだけれど・・・