流されそうだった雰囲気から突如現実に戻り、先ほどの自分の思考に恥ずかしくなって、1人あわあわしていた。


そんな私の横で和泉君は、「はあー…」と盛大なため息を吐いている。


「手強いな、モカ」

「え、な、何っ!?」

「なっかなかお許しが出ないし。もうマジで限界なんだけど」


もう一度私を抱き締め、和泉君は苦笑しながら言う。


お許しも何も、たった今、流されそうだったし……

しかし、和泉君はそんな私の思考を知る由もない。


恥ずかしさから、カーッと顔を染めていく私を見て、和泉君はまたため息を吐いた。


「仕方ない。もう少し待つか…」


諦め気味に呟く和泉君に、こくり、と小さく頷いて返したけど…。




―――覚悟を決める時は、そう遠くないかもしれない…。


心の隅でそう感じながら、和泉君の肩にコテッと頭を預けた。














★end.★