目を瞑ってしまうと、やはり体は疲れているのか、力が抜けてすぐに眠りに入ろうとする。


このまま、何事もなく寝かせてくれれば…。


何事もなく…。

何事もなく………。


早くも眠りそうになっていると、ふいに、先生の手がサラリと頬を撫でた。


「結衣?もう寝るのか?」

「……ん…」


僅かに、こくりと頷いた。もちろん、寝る。

早く寝て、治さないと…。

じゃないと…。


「……なぁ、結衣?」


じゃないと……。



先生は私の頬を撫でながら、甘く囁いた。

名前を呼ばれ、ぼんやりしたまま目を開けると、妙に熱の篭った視線で見つめられている。

心なしか、先生の顔も若干赤い。



「せんせ…?」

「結衣、……キス、していい?」



じゃないと、先生のスイッチが入ってしまうから…。