「結衣っ!何で!?何で!?どうしてココが!?」

興奮している先生が何度も何度も聞いてくる。喜んでくれているのか、その顔はとても嬉しそう。

よ、予想以上の反応…。

そんな先生の様子に圧倒されながら、ここまでの経緯をゆっくり話した。


「今日は先生の誕生日だから…。どうしても、会いたかっ――」

言い終わらないうちに、再びガバァッ!と勢いよく抱き締められた。


「ちょっ…!!先生っ!!まだ説明終わってませんっ!!」

「抑えられるわけないだろっ!!」

「待ってくださいっ!!もうちょっと我慢してくださいっ!!」


そう言うと、先生は「ちょっとだぞ」と、名残惜しそうにしながらも、ゆっくりと腕を解いていく。


「最近、先生忙しくて疲れてるでしょう?いつも私ばかり元気をもらってるから、今日くらい何かお返ししたくて…」

「結衣…」

「でも、誕生日なのに出張だって言うから、ちょっと諦めてたんですけど…。でも、今日偶然金一郎さんと志銅さんに会って、2人から、会いに行ったら?って言われて。ホテルもすぐ調べてくれて」

「あいつらに?」

「ええ。だから、もう勢いで来ちゃいました。突然でごめんなさい…。本当は、いろいろとお祝いしたかったんですけど何もなくて…。プレゼントも用意してなくて、すみません…」


申し訳なさそうに謝ると、先生は嬉しそうに笑いながら「もう我慢できねぇ!」とまたもや勢いよく抱き付いて来た。


「キャッ!!ちょっと…!!」

「すげぇ嬉しい…。結衣、超好き。マジで大好き、もうどうにかなりそう…」

「あ、あの…そこまで言われると逆に真実味が…」

好き、を連呼する先生に苦笑いを返した。言えばいいってもんじゃないだろう。


先生はそれでも穏やかに笑いながら、私の顔を覗き込み熱っぽい視線を向けてくる。


あ、と思った時にはもう遅く、先生は再び私に覆い被さりながら、首筋に顔を埋めてきた。先生の熱い息が耳を掠める。


「……愛してる」


そう耳元で優しく囁いたあと、無防備に開く私の唇に深く口付けた。