「…………ゆ、い…?」

「はい、来ちゃいました」

「……え…?」

今のこの状況が信じられないのか、先生は呆けたような表情で私を見つめている。


「え……マジで、結衣…?」

「はい、マジで、私です」

「…………」


パチパチと瞬きしながら、先生は恐る恐るといった感じで手を伸ばし、ペタペタと触りながら私の体を確認してくる。


……そんなに信じられないんだろうか…。


「あの、先生?」

「…………」


私の呼びかけにも反応せず、次第にその手は頬を辿り、優しく撫でられた。


「……結衣、だ…」

「だから、何度も言ってるじゃないですか」

ようやく私だと認識してくれた先生に、少し呆れながら言い返した。だって、時間がかかりすぎだから。



驚きを隠せない様子なので、ここへ来た理由を説明しようと口を開きかけたら、突然、先生の大きな体がガバッ!と覆い被さってきた。

「キャッ…!!」

何事かと思いきや、先生の腕が体に巻き付き、ギュウギュウと力強く抱き締められている。


「ちょっ…!!先生っ!?」

「マジで結衣だ!」

「キャアッ!!ちょっと…!!」

さらに、先生は抱き締めるだけにとどまらず、興奮気味に声を上げながら私を横抱きに抱え、部屋の中に連れ込んでいく。


「結衣っ!何でここにっ!?」

「先生っ!!降ろしてくださいっ!!」

バタバタと暴れる私をしっかりと抱えながら歩み進み、部屋の端にある大きなソファに私を降ろした。

しかし、ソファの上だというのに、それでも先生は抱き締める腕を離さない。