「偶然とかそんなのどうでもいい。……志銅、俺言ったよな?結衣には近付くなって」

「近付くなって別にやましい気持ちなんてないから!!」

「黙れ」

「そもそも、何で金一郎は会わせるのに俺はダメなんだよ!!」

「お前に会わせると結衣がけがれるからに決まってんだろ!!」

「なっ…!!失礼な!!」


こうして店内でギャーギャーと兄弟喧嘩を繰り広げていると、結衣ちゃんが困ったようにオロオロしはじめた。

「あ、あの…やめてください…」

「結衣も!!そんなホイホイと簡単に男に付いて行くな!!」

「ホイホイって…男って…。だって先生の弟さんだし…」

結衣ちゃんはガーンとショックを受けたような表情になっている。


「銀次!!俺が悪いんだから結衣ちゃんを責めるなよ!!」

「別に責めてるわけじゃ…」

「結衣ちゃんは将来銀次のお嫁さんになるわけだし!!義姉になるんだから仲良くしたっていいだろ!!」

「………お嫁さん…?」

その言葉に銀次はピクリと反応し、ポッと頬を赤く染めた。


……ほっんと、結衣ちゃんのことになると分かりやすい…。