「志銅、この会食俺の代わりに行ってこい」

「はあ?何でだよ。めんどくせえ」

「○○商事や××財閥の令嬢も来るらしいぞ」

「行かせて頂きます」


銀次は会食やパーティーといった集まりを嫌う。理由は「無駄」だからだそうだ。

そんなものに行くくらいなら、仕事をしていた方がいいらしい。それは一番上の兄、金一郎も同じで、しょっちゅう俺に回してくる。


分からないでもないが、上流階級のお嬢様も来るのにもったいない。

味見できるかもしれないのに。

あいにく俺は出会いの場と考えているので、苦痛ではない。


そんな俺のことを兄二人は「歩く生殖器」と呼ぶ。

なんとも不名誉な称号だが、否定できない自分が悲しい。


銀次のように、1人に絞ることなんてできない。本気なんてアホらしい。楽しめればそれでいい。