「……結衣?」

「なんかね、入学早々テストがあるらしいんです。休みで頭が鈍ってると思うから、先生見てもらっていいですか?」


「…………」


まじかっ!!

この状況で勉強!?なんてクソマジメ!!


しかし、何でも言うこと聞くと言ってしまった手前、断るわけにいかない…。


ガクーッと肩を落としながら「……どこ?」と聞くと、結衣はニコニコと嬉しそうに「ここです!」と参考書を開いた。


……何か、指輪をあげた時より嬉しそうなのは気のせいだろうか。

せっかく甘い誕生日を過ごす予定だったのに、結衣はすっかり勉強モードだ。


こんなはずじゃなかったのに…。

でも…まぁいいか。結衣らしい。


苦笑しながら結衣の頭をグシャッと撫でた。


「よし、やるぞ」

自分にもそう気合いを入れ、結衣と一緒に参考書に向かった。







end.