よし、指輪も渡したことだし。


「結衣、これからどうする?どこか行くか?」

まだ昼だ。家で過ごすのもいいが、行きたい場所とかあるなら連れて行ってあげたい。


「ううん、このまま先生の家にいたい…」

じっと見つめてくる結衣に心臓がドキドキと高鳴る。


「先生、お願いがあるの…」

「お、お願い…?」

結衣の方から何かお願いされるなんて滅多にないことだ!!結衣のワガママなら大歓迎だ。


「結衣のお願いなら何でも聞いてやる」

「本当っ!?」

結衣の顔がパァッと笑顔になった。
その顔にやられながら「何?何?」と促した。


どうしようか…「抱き締めて…」とか言われたら。
それなら全然構わない、いや、むしろ嬉しいが、その先を要求されたら俺の理性は間違いなく制御不能になる。


そんなあり得ない妄想をしていると、結衣が鞄の中から大量の本を取り出し、ドサドサと机の上に置いていた。