そうと決まれば早速買いに行く。


「いらっしゃいませ」

高級アクセサリーの専門店。慣れない場所に居心地が悪くなりつつも、ガラスケースにズラリと並ぶ指輪を見ていた。

なんか…たくさんありすぎてよく分からない。

指輪を選ぶなんて人生初だ。そもそも、今までの女に自らプレゼントしたことがない。ねだられたら金だけ渡していた。
……つくづく最低だな、俺。

そんなことを考えていると、女性店員が声をかけてきた。

「彼女へのプレゼントですか?」

「えぇ…」

「それでしたら、こちらはいかがですか?春の新作なんですよ」

そうニコリと微笑みながら出されたのは、ダイヤが散りばめられた、ギラギラとゴージャスに輝く派手なリング。