名残惜しさを感じながらも和泉君との会話を終えて電話を切ると、同室の女の子がニヤニヤと笑みを浮かべながら私に近寄ってきた。


「…？どうしたの？」

「モカちゃん愛されてるね～」

「えっ!?な、何でっ!?」

「だって、彼氏からのラブコール毎日あるでしょ！」

「ラ、ラブコールって…」

「羨ましい～。私の彼氏なんて全然連絡くれないし」

「全然？」

「そうよ！今ごろ好き勝手遊んでるに決まってるわ」

拗ねたように言い放つ彼女に「そんなことないよ」と返しながらも、毎日連絡をくれる和泉君に心が救われているのは確かだった。

これで連絡が何もなければ、寂しすぎて泣いてしまうかもしれない。


「早く会いたいな…」

ポツリと呟けば、彼女に「ラブラブだね」とまたからかわれた。



あさって。

あさってには和泉君に会える。

そんな思いを胸に抱きながら、残りの研修期間を乗り切った。