なんであたしの弟くんがこんなのと付き合っていたのか、サッパリわからない。 厚く塗りたくられたファンデーション。 元の大きさがわからなくなるくらい真っ黒に囲まれた目。 つけまつげは何枚ついているんだか…。 凌斗と付き合った期間はそんなに長くなかった。 一ヶ月もなかったかもしれない。 その間、コイツが一方的に話しかけてくる以外に、あたしはコイツと会話を交わした覚えがない。 ただあたしたちの肩書き目当てで近づいてくる、自分の欲に正直なバカな女だ。