チアキの横を通り過ぎて自分の席に向かう途中、パッとリマと目が合う。 「ち…チヒロ君、おはよ…」 「…おはよ」 久し振りにリマと会話を交わした所為か少し緊張する。 昔は誰よりも仲が良かった俺たち。 今ではその欠片さえもない。 いつからだろうか、俺とリマがこんなギクシャク関係になってしまったのは。 俺から壁を作ってしまった事は確かなのだけれど。 ―――…その点ではチアキが羨ましい。 「リマ、今日の放課後どこかに寄ってく?」 「うん」 リマといまでも変わらずつるんでいるチアキが羨ましい。