俺はリマをこの手で抱き寄せた。 「ずっと好きだった。ずっとこうしたかった」 本当はずっと伝えたかった、 愛する君への想いを。 「リマ…」 「ひっく…」 「何泣いてんの?」 「だって…」 リマの涙が温かい。 流れてくるリマの涙を指でそっと拭うと、さっきよりも強くリマを抱き締めた。 「チヒロ君、もう一回言って?」 「何を?」 「好きって」 君が願うのなら何回でも言ってやるよ。 この恋が続く限り。 「好きだ、リマ…―――」 リマは一瞬にして虚像を実像に塗り替えたのだ。