リマを想えば想う程、毎日が楽しくて毎日が怖くて。

 もうどうすればいいのか分からなかった。


「ちゃんと上を見ろ。リマは待ってる」


 “待ってる”


「リマ…」


 リマ、リマ、リマ…っ!


「リマ、庭に居るから行ってこい」


 チアキに背中を押さて今まで座っていた所から身体の位置が大幅に動いた。


「怖くない、怖くない、大丈夫だから」

「チアキ…」


 “怖くない”


 怖くない。もう怖くなんかない。

 ちゃんと上を見る。

 いつだってチアキとマドカがついている。

 だから怖くない。


「チヒロなら大丈夫よ。もう怖がらなくて良いんだよ」

「マドカ…」


 マドカの笑顔がなんだか眩しくて、今まで落ち込んでいた事が急に恥ずかしくなった。