‐私は鸞(ラン)…
貴女…本当に記憶が…
大丈夫、きっともどるわ‐



その女性はどこか悲しそうにでも優しく私に言った


記憶がない…

そうだ…私は今までお母さん達と夜ご飯を食べて…
でも気づいたら路地裏で誰かから逃げてて…?

思い出せないっ…つっ!!
無理に思いだそうとした瞬間激しい頭痛に見舞われた


‐大丈夫??!!無理に思いだそうとしなくて大丈夫だから!!‐


鸞さんは私を支えながら頭を優しく撫でてくれた


『あの、此処って?』


頭痛に見舞われながら必死に質問した


‐此処は…


貴女の思考の中


って言えばいいかしらね…‐



私の…思考の中…?




意味がわからない!!と言おうとした瞬間
頭の中に路地裏の風景が映った


‐どうしたの?!劉鴕??大丈夫?!‐


隣から鸞さんの焦った声が聞こえる…


‐悪い 囲まれたっ 躪が記憶ない以上俺達に力が使えないらしい…チッ!! 力があればこいつらなんて!!‐


‐もう無理なの??!!晶達は??まだなの??‐

‐まだ連絡ねぇ…すまん…もぅ…‐


するといっせいに黒ずくめの男達が駆けつけてきた




そこで 私の意識は途絶えた―――