「お母さん、お父さん…。今日も居ないの?」 砂柚は通学鞄を持ちリビングを見渡す。 ダイニングのテーブルには柚羅が作った夕食が置かれていた。 広い部屋に温かな空間が広がっている。 「うん…。今日は、早く帰ってくるって言ったのにね。」 二人の両親は仕事馬鹿としか言いようがなく仕事熱心であり、帰りはいつも二人が寝静まった後である。 「そっか…。」 溜め息は出なかった。