弘くんと話していた桜井さんは、急にどこかへ行ってしまった。



どうしたんだろう?





「弘くん、桜井さんと何話してたの?」




いちいちうざいかも知れないけど、気になるから。





「…告白されたんだけど、断ったらどっか行っちゃった。」




「告白…されたの?」




「私、中原さんにかてるかな?って…。」






なんか、ショック…。




だって、桜井さんは私に勝てると思ったから、彼女の居る弘くんに告白した訳で…





「でも、俺は椎だけだからって断った。」





私は嬉しくて、弘くんの手をぎゅっと握った。




「椎?」




「嬉しかったの…。弘くんが、桜井さんじゃなくて私を選んでくれた事が。」




「椎、俺は、彼氏として当たり前な事しただけだぞ?」



もう嬉し過ぎて涙も出ない。




「ありがとう…。」





弘くんは、私の手を握り返してくれた。