「マヤ」
「…はやくして」
「わかった」

あたしの身体を揺らしてメ-ルだけで知り合った彼が腰を押さえ込む。

「このままさ?」

「なに?」



「キスがしたい…」



目の前が暗くなる。

それは彼のせいじゃなくて、でも、少しは彼の変な言葉が原因だ。
彼は言葉を伝え終わるか終わらないかの内にあたしの唇を塞いだ。

彼はそれから自分が満足いく限りのキスを繰り返し、あたしはあたしで彼じゃなかったらこの暗さに反吐がでそう。
だとか思ったわけで。
真っ暗なクラブはあたしという人間を偽らせるには十分だった。