成人しちゃっていいんですか

彼の年齢はわからない。

彼がどんなことを考えて生きてきたのかも知らない。



ただ温かいと思った。



彼はとても温かい体温であたしを包んでくれて、学校を本当は誰よりも好きなのかもしれない。


彼は、町一番の不良で。

力は強く負け知らず。


でも、髪は黒くて。
服装もいつも真っ黒。

性格は噂だと鬼畜で、歯向かえば学校には通えなくさせられるという恐ろしい人だった。


でもね?




全然違うんだよ。



「…ん?」




寝たふり。
寝たふり。
寝たふり。

あたしは寝たふりをした。